奄美の求人・転職Webマガジン「ジョブセンバ mag.」

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商品やお店は知っているけれど、作っている会社の社長ってどんな人？
という、しーま代表とあなたの好奇心を満たすためのこのコーナー。
楽しいむんばなし（無駄話）のなかにキラリ光る金言を拾います。
この話はフリーペーパージョブセンバかわら版2018年 2・３月号に記載されているよ！

人はなぜに働くのか。仕事の喜びとは、どこにあるのか。
そんな根源的なことをふと考えてしまう、小さな商店がある。
大和村大棚集落にある「大棚商店」。
大和村唯一、奄美大島ではわずか4軒となった住民による住民のための「共同売店」だ。
創業103年で、集落住民80人が株主。2年ごとに理事のなかから社長が選ばれる仕組みだ。
長く続いた相互扶助の形は、しかし時代の変遷によって継続が困難になる。経営は赤字、みな社長をやりたがらず辞退する始末。
そんな閉店寸前の商店を引き受け、黒字経営へと立て直したのは、長い歴史で初となる女社長だった。
※現在は社長退任

社長　　川下　八重子（かわした・やえこ）

1952 年大和村大棚生まれ。村役場を定年退職後、大棚商店社長に就任。現在就任7年目。

インタビュアー　深田小次郎（ふかだ・こじろう）

1976年生まれ。バリバリの笠利町須野んちゅ。2010年よりしーまブログを立ち上げ、現在同代表。

ー7年前に社長に就任した経緯を教えてください。

はじめは、役場勤めをしていたので、監査という立場で参加していました。
退職してからも手伝っていたところ、「女性を理事にしたらどうか」という声が上がって。株主総会で社長に選ばれました。

――当時、経営はどういう状態？

昔はほとんどの集落にあった共同売店ですが、人口減少や交通網の発達でどんどんなくなっていった。
大棚商店も、黒字だった時代の貯金を食いつぶして赤字経営。社長になっても無報酬だし、誰も引き継ぐ人がいなくてシャッターを閉めていたことも。

―そんな状態の商店を、なぜ自分が引き継ごうと決心できたんですか？

監査でちょっと経営のことがわかりかけていたし…お手伝いができればと。
お年寄りが困っていたしね。

―経営立て直しで取り組んだことは。

人件費や取引業者、商品の仕入れなどを見直した。お客さんの少ない昼過ぎは店を閉めて人件費を削減。
業者の言いなりだった商品取引も業者を選定しなおして、一円でも安いもの、売れるものを確実に仕入れるようにした。

ーそれだけでもだいぶ違うでしょうね…！ほかにはどんな取り組みを？

お客の中心であるお年寄りのために、店内に休憩スペース「ゆらい処」を作りました。
この店は、集落内の情報交換や住民の安否確認をする役割も担っているからね。
あとはお惣菜を求める声が多かったので、ボランティアを募ってお惣菜を作って販売を始めた。
お年寄りが作った野菜を買い取って作るの。ボランティアの「結の会」では、配達やついでの電球交換なんかもしますよ。

ーすごいですね！でも女性として先頭に立って働くことの大変さもあったと思います。

そうね…やっぱり女性が家のことも仕事も、というのは大変。
それでも仕事をしたいなら、家族の協力をもらうこと。
そして「家のことがあるから」と引くのではなく、自分はみんなに助けられてやれているのだと自覚して、頑張って仕事をする。そうやって自分はやってきました。

ー「お客さんと集落」ファーストの考え方、そして社長自身が貫いてきた「仕事」への真摯な姿勢に
感銘を受けました！学ぶことが多かったです。素敵な話をありがっさまりょーた！