奄美の求人・転職Webマガジン「ジョブセンバ mag.」

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商品やお店は知っているけれど、作っている会社の社長ってどんな人？
という、しーま代表とあなたの好奇心を満たすためのこのコーナー。
楽しいむんばなし（無駄話）のなかにキラリ光る金言を拾います。
この話はフリーペーパージョブセンバかわら版2017~2018年 12,1月号に記載されているよ！

丸くて甘い「ドーナツ」は、シマッチュが愛する定番おやつ。
母の味、おばの味、お店の味。みんな似ているようでいて実は味が少しずつ違う。
そんな素朴な島菓子一本で勝負する「あんだぎや」の商品は、工夫と話題に事欠かない。
食べやすいように一口サイズにして、フレーバーを変えて串に刺してみたり、
若手クリエーターと組んで斬新なパッケージを作ったり。
そのすべてには社長の人生の学びと情熱が詰まっているようだ

社長　　前川　順英（まえかわ・じゅんえい）

1959年名瀬生まれ。大島高校卒。奄美在住沖縄県人会会長。アンダギーは島内スーパー、商店など各所で買える。
製造店舗を2017年10月リニューアル。
あんだぎや　奄美市名瀬長浜町24-17　☎︎0997-69-3300

インタビュアー　深田小次郎（ふかだ・こじろう）

1976年生まれ。バリバリの笠利町須野んちゅ。2010年よりしーまブログを立ち上げ、現在株式会社しーま社長。

ー社長、いきなりですが、これまでにさまざまなお仕事をしてきたと聞きました。

うん、いろいろやってきたよ。
島の高校を卒業したあとは専門学校へ行って、東京の通信関係会社で通信検査やＰＨＳアンテナの基地局設置の仕事をしたり…でも長女が小学校に入学するタイミングで島へ帰ることにした。子供のうちは島で育った方がやっぱりいいからね。

―久しぶりの帰郷でしたか？

数年ぶり。そうしたら情報が少なくて、わからないことが多くて。
「これは観光客もどこに行けばいいのかわからないだろう」と考えて、観光案内所兼カフェを開設し、観光パンフレットを制作。お土産の通販もやったよ。

　―（当時のガイドブックを見て）すごい…これをおひとりで？

東京で営業職の経験があったから、１００店舗以上とお付き合いをもって、３年間続けたけどやはりひとりでは限界があったかな。あきらめて島を離れてまた東京に戻ったんだけど、母が倒れたことで本格的に帰郷した。そこから、介護をしながら自分ができることを考え直した。

―そこでアンダギーにたどり着いたんですね。

そう。物販をしていた経験から、仕入れではなくメーカーじゃないと利益があがらないとわかっていた。アンダギーは妻が作って売っていたことがあったのだけど、人気があったからいけるんじゃないかという予想はたてられた。

ー素朴な疑問ですが、アンダギー1本でやることに不安はなかったんですか？

うーん、とにかく母の介護をしながら家でできる、ということが優先だった。
また、商品の種類を増やすと、自分の手が回らなくなるんじゃないかと考えて。
これは観光パンフレットを作っていたときに学んだことだね。

ー　なるほど…これまでの仕事の経験が学びとなり、この形にたどり着いているんですね。しかしすでにライバルがたくさんいるなかに参入し、勝負していくのには工夫が必要だったと思います。

工夫したのはまず食べやすいように小さくしたこと。
一口で食べられるからパチンコの景品としてどうかと、売り込みにも行った。
待っているだけじゃだめだからね。ほかにも、お釣りを出さずに気軽に買える値段設定にしたり、
フレーバーを変えて色をつけたアンダギーを串に刺した商品を作ったり。
若いデザイナーたちがパッケージデザインを作ってくれると聞いて、応募して、
いっしょに新しいパッケージを作ったりした。
今からまた新しいアンダギーのアレンジ商品を作りたいと思っていて、いろいろ考えているんだよ。